虫歯

可能な限り「痛くない」虫歯治療

虫歯が痛くなって歯医者に行くのに、注射やドリルでまた痛い思いをする。

それでは歯医者に行くのが嫌になってしまいますよね。

ご安心ください。当院では、さまざまな器具や技術で、可能な限り痛みを抑えた治療を行っています。具体的にどのようにして痛みを抑えるのか、当院の取り組みを紹介します。

• 取り組み1表面麻酔

  針を入れる部分に麻酔薬を塗って、注射の痛みを和らげます。

• 取り組み2極細の針

  ほとんど痛みを感じない、極細の注射針を使用します。

• 取り組み3カートリッジウォーマー

  麻酔薬を人肌に温めると、注射の際の不快感が軽減されます。

• 取り組み4電動注射器

  薬液を注入する圧力をコンピューター制御して、注射の痛みを軽減します。

体への負担を最小限に抑える「M.I.治療」

当院は、「M.I.治療」を実践しています。
M.I.とは、「ミニマル・インターベンション」の略で、「最小限の侵襲」を意味します。つまり、体への負担を最小限に抑えるという考え方です。具体的には、次のような方針で治療に取り組んでいます。

• 健康な歯を「削りすぎない」
• 可能な限り「神経をとらない」
• 可能な限り「抜歯を避ける」

以下、具体的に説明します。

健康な歯を「削りすぎない」治療

虫歯に感染した部位はすべて取り除くのが、虫歯治療の基本的な考え方です。これを徹底すると、どうしても健康な部分まで削りすぎてしまうというリスクが出てきます。

「虫歯の部分だけを削って、健康な部分は削らない」のが理想なのですが、これを実践できている歯科医院は少ないです。当院ではこの理想を実現すべく、次のような取り組みをしています。

取り組み1「高倍率ルーペ」「マイクロスコープ」による患部の拡大

虫歯の部分だけを削って治療するには、ミクロン（1000分の1mm）単位の精度が求められます。肉眼で歯を見ながら削っていたら、とてもこの精度では治療できません。そこで、当院では「高倍率ルーペ」や「マイクロスコープ」を用います。これらは、顕微鏡のように患部を拡大してくれます。

次の画像をご覧ください。これは、マイクロスコープで一万円札を拡大した様子です。マイクロスコープによって治療の精度がどのくらい上がるか、一目瞭然ですね。

取り組み2「う蝕検知液」で感染部位を区別

「う蝕検知液」という薬品を使うと、虫歯菌に感染した部分だけが赤く染まります。
赤く染まった部分だけを丁寧に削っていけば、健康な歯を削りすぎることなく治療ができます。

取り組み3「接着性レジン」で削った穴を埋める

虫歯治療では詰め物やかぶせ物を利用しますが、かぶせ物などをしっかり歯に固定させるために虫歯部分以外の健康な歯も削る必要があります。しかし、レジン（プラスチック）を利用することで、健康な歯を削ることを回避できます。その理由は、レジンはゲル状のため、削った穴に隙間なく入り込み、特殊な光を当てることで硬化するためです。つまり被せ物などのように固定させるための引っ掛かりを歯に作る必要がないということです。また、金属を利用しないため、金属アレルギーの心配もなく、色も白いので目立ちません。

可能な限り「神経をとらない」治療

虫歯が進行し、歯の内部の神経が虫歯菌に感染すると、通常は歯の神経を取り除く「根管治療」を行います。しかし、歯の神経には、歯に栄養を取り込むという重要な役目があります。むやみに神経を取ってしまうと、歯に栄養が行き渡らなくなり、枯れ木のように脆くなってしまいます。そうなると、いずれ割れてしまい、抜歯することになります。

このため当院では、「MTAセメント」という薬剤を用いて、可能な限り歯の神経を残します。

抜歯を避ける治療法
「エクストリュージョン法」

虫歯が進行して大きく崩壊してしまった歯は、ほとんどの場合、抜歯することになります。虫歯の部分だけを削ることができたとしても、かぶせ物を固定する場所が残っていないからです。

ここまで進んでしまった虫歯でも、「エクストリュージョン法」という術式によって抜歯せずに済む場合があります。エクストリュージョン法は矯正治療のひとつで、歯茎に埋もれている歯根を上に引き上げ、かぶせ物を固定する場所を作ります。従来は抜歯するしかなかったような症例にも対応できる、画期的な治療法です。